UP 2018.4.2 HRY
2018年3月環境科野外活動オプション
武庫川源流 愛宕山ミツマタ群落を歩く
■日時:平成30年(2018年)3月30日(金) 天気 晴れ
■集合:9:30 JR三田駅北口
■行先:武庫川源流 愛宕山ミツマタ群落
■参加者:18名
■案内:環境科 平山

《愛宕山ミツマタ群落》
武庫川源流の丹波愛宕山には一目10万本といわれるミツマタの大群落があります。母子(もうし)から近畿自然歩道を愛宕山に登りミツマタを鑑賞、丹波名刹龍蔵寺から京街道(デカンショ街道)を南矢代駅へ歩きました。
行程:
三田駅北口9:46→(神姫バス)→母子バス停10:31〜(近畿自然歩道)〜天狗岩稲荷神社(11:05〜11:15)〜愛宕山分岐11:25〜愛宕山12:00〜愛宕山中腹(12:15〜昼食〜12:45)〜ミツマタ群生地(13:00〜13:10)〜(林道)〜龍蔵寺(13:40〜14:15)〜(参道・京街道)〜武庫川起点15:30〜南矢代駅15:40
Route Map 歩行11km

本文
「近畿自然歩道」
 大阪の桜は満開、車窓から見る三田はまだ5分咲きといったところか。今年は例年より1週間以上開花が早い。環境科オプション行事「武庫川源流愛宕山ミツマタ群落を歩こう」に三田駅に集合したのは18人。母子行のバスに乗車する。乗車45分(¥800)で三田のチベットといわれる母子に到着する。運賃も高いが標高も高い。母子と書いて”もうし”と読む。この珍しい地名は、約千三百年前、舒明天皇の寵臣がこの地を訪れた時、野原一面に「ははこ草」(春の七草の”ごぎょう”)が咲いていたことによるという。母子は母子茶の産地として知られている。約六百年前、近くの永澤寺(ようたくじ)の僧が中国から伝えたお茶が”母子茶”の始まり といわれている。標高500mの高原は昼夜の寒暖差が大きく、お茶の栽培に適しているのである。 さて、スタートの挨拶をして、近畿自然歩道を愛宕山に向けて歩きはじめる。山裾に古民家が点在、茶畑が続く。人っ子一人いない。

スタートミーティング(母子バス停で)

近畿自然歩道を歩く

近畿自然歩道から愛宕山
途中天狗岩稲荷神社に立ち寄る。覆いかぶさるような巨岩の下に二つの社があるが、その起源は不明で、祭司の跡の磐座だろうといわれている。赤紫色の岩はチャートを含んでいる。あたり一帯は丹波帯の地層で、1億数千万年以上前に南方の海底で堆積生成した地殻である。地質に詳しいM女史のお話である。

天狗岩稲荷神社

茶畑の続く道

愛宕山・龍蔵寺分岐
「愛宕山」
 山道に入ると間もなく、愛宕山と龍蔵寺の分岐道標がある。ミツマタ群落は龍蔵寺方面に下っていくが、今日は天気もいいので展望の素晴らしい愛宕山へ登ることにする。この地点から標高差150mで歩行30分を見ればいい。冬枯れの雑木林にはミヤマシキミが群生、アセビ、タムシバが花開いている。登りはきついところもあり、約3名が脱落する。頂上直下は立木に掴まりながらの急登である。山頂は細長く狭いが、北の切り開きから正面に三嶽を主峰とする多紀連山が、眼下に篠山の街が展望する。千ヶ峰等東播磨の山々までよく見える。風が冷たく、昼食は中腹の陽だまりでとることにする。

愛宕山山頂からの展望(眼下は篠山盆地、遠方は多紀連山)

愛宕山山頂で健脚者
「ミツマタ群落」
 先ほどの分岐に戻り、龍蔵寺方面に下っていく。杉林の道を5分も下ると眼下の斜面に白い花畑が広がっているのが見える。ミツマタの群落だ。ミツマタの花は黄色だが萼筒は白いのである。辺りに花の香りが広がる。高さ2、3mあるミツマタのトンネルに入る。降り立った林道終点の広場から見上げる群落は黄金色に輝き圧巻である。今年は特に開花が早かったようで、毎年訪れる小生から見ればややくすんでいる。倒木が目立ち、まだら模様であるのは、一昨年の大雪と昨年の台風被害によると住職の説明であった。しばしミツマタを鑑賞し、つづら折れの林道を下っていく。標高差100mにわたって谷筋に群生するミツマタもまた見事である。

林道からミツマタを俯瞰する

ミツマタ群落を通り抜ける

ミツマタのトンネル

ミツマタ群落で

林間のミツマタ群落を歩く(龍蔵寺への林道)
「龍蔵寺」
 龍蔵寺山門に到着したが、後続が来ない。ひとりがトラブルで、足がつってしまったようである。漢方薬68番と皆さんの介護でしばらくして元気を取り戻した。お寺ではトイレを借用、住職から寺院の由緒や、愛宕山の春夏秋冬の草木のお話を聞く。丹波の自然にお詳しく、お寺を訪れるハイカーに草木を案内してくれる。境内の草木はまだ眠りから覚めたばかりだが、トサミズキは芽を膨らませ、ミヤマカタバミが白くかわいい花をつけていた。

龍蔵寺住職のお話を聞く

龍蔵寺本堂

草木を案内する住職
「武庫川起点」
 龍蔵寺を後に参道を下り、デカンショ街道(R372)に沿った旧京街道を古市方面に歩く。路傍にはツクシ、フキノトウが。篠山城の石垣に使われたという石が残る栗栖野残石公園で京街道と分かれる。このあたり、桜はつぼみである。遠くに南矢代駅の陸橋が見えてきた。真南条川と田松川が交わるところが武庫川起点である。2級河川武庫川の標石が立っている。河口まで65kmである。南矢代駅に到着、解散する。途中でタクシーで帰った方もあったが、歩行は11kmであった。ミツマタ群落はいかがだったでしょうか。愛宕山は風が冷たかったものの、お天気に恵まれ、快適なハイキングだったと思います。これからも大自然を歩く企画を考えていきたいと思います。お疲れ様でした。

来栖野残石公園

武庫川起点(真南条川と田松川の合流点)

南矢代駅
◇◇◇
山道での出会い

ショウジョウバカマ(母子)

シキミ(母子)

ミヤマシキミ(愛宕山)

アセビ(愛宕山)

ミツマタ(愛宕山)

サルオガセ(龍蔵寺)

トサミズキ(龍蔵寺)

ミヤマカタバミ(龍蔵寺)

オオイヌノフグリ(京街道)

フキノトウ(京街道)

ツクシ(京街道)

カンサイタンポポ(京街道)

ホトケノザ(京街道)

ネコノメソウ(京街道)

ヒメオドリコソウ(京街道)
「後記」
 反省会は沿線の桜などを眺めながら丹波路快速の車内で。さて乾杯と京街道のお婆ちゃんの店で買った缶ビールを開けると、何と賞味期限は2007年、えー!!10年以上前だ。 ほかのメンバーのお酒やビールも2011年だ。そういえば缶に埃が積もっていた。その晩は腹痛を起こさないか心配であったが、無事でほっとする。やれやれ。(了)
文/平山、写真/大野・平山、編集/平山 
企画:平山・加藤
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