2014.9.9HRY
川西市立明峰小学校3年生・水辺環境体験学習支援 |
■日時:平成26年9月9日(火)10時~14時 天気 快晴 気温 32℃ ■場所:猪名川親水水路(川西市猪名川/せせらぎの水辺) ■目的:水辺の生き物をとおして、子ども達の「里山環境体験学習」を支援 ■内容:①水生生物しらべ ②児童との交流 ■対象:川西市立明峰小学校3年生 152名(5組 各組4班)+職員 ■スタッフ:28名 シニア自然大学校(環境科10名、そら組12名)、西淀自然文化協会6名 ■支援体制 ・総括:鳥井正浩、事務局:村瀬りい子 ・監視およびタイムキーパー:上流部・中流部・下流部に各1名 ・撮影・記録:2名 ・各組担当 (各班児童7~8名) ・1組:環境科5名(同定者、A斑・B斑・C斑・D斑) ・2組:環境科5名(同定者、A斑・B斑・C斑・D斑) ・3組:そら組5名(同定者、A斑・B斑・C斑・D斑) ・4組:そら組5名(同定者、A斑・B斑・C斑・D斑) ・5組:西淀協5名(同定者、A斑・B斑・C斑・D斑) |
水辺の生きものを調べることによって、その水辺の環境を知ろう。森林や公園と違ってどんな生き物が棲んでいるでしょうか。里山体験学習は猪名川中流域「猪名川親水水路での生き物調査です。小川に入り、水辺に棲む生き物を捕獲して、観察をし、記録しました。きれいな水に生きる生物がたくさんとれ、児童にとっては、とても意義深い水辺の環境学習だったことと思います。
プログラム (児童は水に入れる靴に履き替えて集合) 10:30 挨拶・オリエンテェーション・スタッフ紹介 10:40 各組ごとに水辺に移動 「水辺の生き物観察」開始 途中にて場所の移動(約20分毎) 11:20 移動(高速道路高架下へ、捕獲生物を持参) 11:30 「生き物の名前しらべ」・・・各組毎にまとまり実施 12:00 「わかちあい」 「生き物のリリース」・かたづけ・児童着替え、他 12:30 昼食・・・おにぎり弁当 「児童と一緒に交流」:①お話をする斑 ②自然体験を紹介する斑 ③自由時間・・・等 13:40 「まとめ」 14:00 児童出発(帰校) スタッフミーティング・終了 |
1.準備
不順な天候が続いていましたが本日は快晴です。日向は暑いですが日陰は風もさわやかで絶好の学習日和となりました。スタッフミーティングでは、スケジュールや実施要領、役割分担などを打ち合わせた後、川に入り、捕獲エリアや危険個所を確認し、実際に網を使って水中の生き物を探してみました。水害予防ため親水水路の水を一時止めてしまったため、生き物が全くいなくなってしまったようです。水を戻してから日が浅いので、生き物が少ないのが気がかりです。
スタッフミーティング |
2.はじめの挨拶
担任の先生の引率で明峰小学校3年生152名がやってきました。しかしその直前に明峰小学校を上回る人数のT小学校4年生がやってきました。人気の場所のようです。一度に水辺に入ったら大変です。安全に気を付けて、一人1種類は必ずつかまえよう!と挨拶もそこそこに、水辺へ急ぎました。
スタッフ代表の挨拶(鳥井さん)・学習の目的や注意事項(村瀬さん) |
3.生き物観察
児童たちは網と容器を持って指導担当者と共に次々に水路へ入り各組指定の場所へ移動します。児童たちは嬉々として、小さな網をふるいますが、流れの速い場所には魚はいません。岸辺や、水草の下、石の影や裏を探してみます。カワニナやシジミなど小さな貝がとれますが、魚は少ないようです。20分で場所を移動します。
4.生き物の名前調べ
つかまえた生き物は班ごとにペレットに移してハンドブックをもとに同定していきます。また全員集合して、捕獲した生き物を紹介しました。つかまえた生き物を組ごとにまとめてみました。
ハンドブックでつかま |
えた生き物を同定する |
ホタルの幼虫はどのようにしてカワニナを食べますか?
どんな生き物がいたかなあ(写真は一部です)
1組 | 2組 | 3組 | 4組 | 5組 |
①カワムツ ②カワヨシノボリ ③カマツカ ④スジエビ ⑤ミナミヌマエビ ⑥カワニナ ⑦マシジミ ⑧コオニトンボ |
①ドンコ ②カワヨシノボリ ③カマツカ ④メダカ ⑤ムツゴ ⑥スジエビ ⑦ミナミヌマエビ ⑧カワニナ ⑨マシジミ ⑩タニシ |
①オイカワ ②カワヨシノボリ ③カマツカ ④ギンブナ ⑤スジエビ ⑥ミナミヌマエビ ⑦カワニナ ⑧マシジミ ⑨オオミズスマシ ⑩アブの幼虫 |
①ギンブナ ②オイカワ ③カワヨシノボリ ④カマツカ ⑤ミナミヌマエビ ⑥カワニナ ⑦マシジミ |
①オイカワ ②カワヨシノボリ ③カマツカ ④スジエビ ⑤ミナミヌマエビ ⑥カワニナ ⑦マシジミ ⑧ミズスマシ ⑨ミズスマシの仲間 ⑩ヤマサナエ ⑪コヤマトンボ ⑫サワガニ |
オイカワ
カマツカ
カワヨシノボリ
ギンブナ
ドンコ
スズエビ
ミナミヌマエビ
カワニナ
シジミの仲間
コオニヤンマのヤゴ
コヤマトンボのヤゴ |
ヤマサナエのヤゴ |
ガガンボの仲間 |
サワガニ |
ヒメガムシ |
コオニヤンマの成虫
ニホントカゲ
オオスカシバ
セスジスズメ
5.分かち合い
児童はどんな感想だったでしょうか。
・水が冷たくて気持ち良かった。・魚はとれなかったが貝がいっぱいとれた。・知らない魚がとれた。・また来てとりたい等。 最後につかまえた生き物を川に返してあげました。スタッフとハイ・タッチしてお別れ。この学習が「自然に関心を持ち、自然を愛し、自然を大切にする」心につながることを願ってやみません。
全員集合 |
スタッフ一同
後記
・かっては、猪名川は水質ワースト1にあがっておりました。大変汚れておりました。水辺は異臭を放っておりました。ゴミも大量に、そして近年ではダムにより、水量も少なく、 水位の下がった河川は、外来生物が繁茂するようになっております。 ・この間10年余、毎月猪名川での水質調査を始めとする諸調査に取り組んで参りました。また下流域では、約20年にわたり、保全活動に取り組んでおります。 ・だからこそ、少しでも水辺の現実を知ってほしいと願っております。 ・学校にとり、よほどの理解がないと、児童を校外に連れ出すことは容易ではありません。そんな中での「明峰小学校」様とのお付き合いが始まっております。 ・支援のきっかけは、子ども達を水辺に連れて行きたいが、指導者がいない。児童数が多すぎて、幾つかの団体に当たったが、受け入れて貰えるところがない・・・とのご相談から 始まりでした。 ・下流域および河口部での課題解決に向け、いい川づくりをする必要がはっきり見えてきました。川に、水辺にもっと近づいてほしい。水辺を実際に見なければ、何も見えてこない。 現実を知ってほしい。知る楽しさも発見してほしい。とそのための案内役に徹する。 ・水辺は危ないから近づいてはダメ!危険!ではなく、子ども達が、安全に水辺を利用するための、お手伝いも必要です。 ・児童への里山環境学習プログラムを目指す学校、 ・培った英知を子ども達に伝授しながらの生涯学習の場とする我々、 ・水辺体験をとおして眼を輝かし、学ぼうとする子ども達、 そんな三者が一体となった社会貢献活動日和の一日でした。ご協力いただきましたみなさまには、心より感謝申し上げます。(村瀬) |
文/村瀬・平山、写真/加藤・平山・村瀬、編集/平山
シニア自然大学校環境科