UP 2008.7.14 HRY
CEF南あわじウィンドファーム見学会
淡路景観園芸学校・野島断層記念館
■日時:2008.7.11(金) くもり
■集合:8:30 大阪西梅田・ダイビル前
■行先:(1)兵庫県立 淡路景観園芸学校
      (2)野島断層記念館
      (3)CEF南あわじウインドファーム
■交通:日交バス
■参加者:環境科35名
昨年度より始まったグループ研究において、地上自然エネルギーグループ3名は風力発電の実態を調べています。その中で比較的近場で最新の風力発電が設置されている所を見学しようとの話しが持ち上がり、同じ見学するなら 環境科の皆さんで行こうということになり、今回の見学会を企画いたしました。途中、淡路景観園芸学校と野島断層記念館に立ち寄りました。
                  行程:
                   (1)大阪駅8:30〜淡路SA(9:45〜10:00)〜淡路景観園芸学校(10:15〜11:50) (レストランで昼食、12:20発)
                   (2)野島断層記念館(12:45〜13:45)
                   (3)CEF南あわじウインドファーム(14:20〜16:00)〜淡路SA(16:45〜17:00)〜大阪駅18:00

1.兵庫県立 淡路景観園芸学校(10:15〜11:50)


屋上庭園からキャンパスを望む
本校は1999年創立、北淡路(淡路市野島)にあり、自然と人工物が織り成す景観の研究、教育を広大な場所で取り組んでいます。景観園芸とは生活・造園・園芸・土木・建築、産業という本来一体となって生活空間を形成するためのさまざまな分野に互いの関連性を取り戻し、新しい社会における人々の豊かな暮らしのあり方を創造する新しい学際分野です。大卒者を対象とした全寮制の景観園芸専門課程、園芸療法課程のほか一般対象の生涯学習課程があり、花と緑への精通、人のこころを豊かにする空間のデザインや快適な環境の創造を担う人材の養成を目指しています。
能勢教授の「環境からみた栽培植物の選択法」の講義を受けた後、自らの案内でALPHAガーデン(24時間オープンキャンパス)を巡りました。
                   (屋上庭園→風の庭→園芸療法ガーデン→展示見本園→四季の庭)

植物のストレスになる要因は(能勢教授講義)

実技フィールドで

園芸療法ガーデンで、年配者は原色を好む

ガーデンルーム(生垣で囲う)

中国の盆景

エスパリエ(ヒメリンゴとナシで壁面装飾)

盆景の蜘蛛の囲ゆれて松機嫌     幸子


2.野島断層記念館(12:45〜13:45)

阪神淡路大震災1995年(平成7年)1月17日からもう13年になります。淡路市小倉の北淡震災公園の野島断層保存館は、地震で現れた国指定天然記念物・野島断層を ありのままに保存・展示し、いろいろな角度から断層を分かりやすく解説しています。希望者のみ入館見学しました。

崩れ落ちた阪神高速(保存館入口)

震災記念公園

野島断層保存館

地震直後の台所再現

昔日の断層見上ぐ梅雨寒し     みのる


CEF南あわじウインドファーム(14:20〜16:00)

場所はここをクリック

本施設の見学に先立ち、移動中の車中で、自然エネルギーグループの島崎さんから「風力発電について」というタイトルで、@世界の風力発電の動向 A日本の現状 B各国の取組み C各国の制度比較について約1時間の講義を受けました。しっかりと予習して見学に臨みます。環境科の面目躍如といったところです。

10号基で
この風力発電所は兵庫県南あわじ市阿那賀にある海抜118m〜226mの丘陵にH18年 建設され、風車は2500kw×15基で37500kw(一般家庭12000世帯分=南あわじ市の全世帯の3分の2相当の電力をまかなう)という日本最大級の風力発電所です。(CEF:Clean Enegy Factory)
管理棟から車幅一杯の山道を登り、10号基で、CEF鎌田社長のご挨拶と西岡職員から資料の配付と説明を受けました。

管理棟(入口)から山上の風車群を見る

10号基

西岡職員の説明

内部にはGE製の機器
羽根の長さは44m、風車の支柱までは85m 羽根の一番上までだと129m、FRP製で重さは1枚8.5トン。綺麗というより 怖い感じで、こんな羽根が6秒に一回転していますが、音は意外にも静かです。
この風車の支柱に横線があるでしょ? 5分割されて支柱は韓国から 羽根はドイツから来たのだそうです。
 建設の時は、夜間に港からここまで道を何日も閉鎖して運ばれ、85mのものを吊り上げるクレーンは日本には無いので、ドイツからわざわざ持ってきて、その2台のクレーンを使って吊り上げては、片方外して本体を起こして組み立てるという慎重な工事が繰り返されました。そして 1基組み立てるのに僅か2日で組み立てられたのだそうです。

羽根の長さは44m

FRP製、重さ8.5トン
南あわじウインドファームは一年間におよそ9,900kW の電気を生みだしています。例えば同じ9,900k Wの電力を石油火力発電で生産すると、1年間に約7,000kgもの CO2を排出します。すなわち、この風力発電所では 石油火力発電が発電するために排出する CO2、約7,000kgを削減することになるのです。 因みに、高さが約2030m50年杉は、年間で約14kgCO2を吸収します。 7,000kgCO2を削減するためには、およそ500万本の杉と5,000haの面積が必要です。つまり、7,000kgCO2を削減するためには「南あわじウインドファームを建設する」か「杉500 万本を植える」ことが必要なのです。

空を背に巨大風車や夏の島     二三弥

質疑応答から
◇総事業費 100億円 1基当たりの費用 6.5億円 、土地はCEFが買い取り。初期投資については銀行融資で対応。
◇4Kmの山なみに15基 配置 それぞれの間隔は回転直径の約3倍以上で風の流れを考えて干渉を避けて配置。 敷地面積  約180ha。
◇発電の仕組みは1基ごとにパワーコンバーターを設けて周波数を適正にして690Vで発電して、変電所で2200KV〜7700KVに昇圧して
  直接関西電力の送電線に送られている。(100%関電が買い取り。買取り価格は企業秘密)
◇設備の構造について
 ・羽・・・FRP 使用、重さ8.5ton、それぞれ羽の向きを独自に変更できる。ドイツ製(GE 2.5)・・・根元は円筒状でFRPの厚み約10Cm。
 ・支柱・・・85m 韓国製 5分割にて搬入、構造は阪神大震災には耐える設計。
 ・発電システム・・ ドイツ製(GE 2.5)
 *何故ドイツ製を採用したのか・・・経験と能力から。
 *雷に対しては今までも落雷はしたが実害はなかった。
◇稼動状況について
・当日の10号基では 風速8mで 590KWを出していた。定格は風速13mでその時には2500KW出せる。
・風速は3.5m〜25m対応 25m以上の風速では止めるようにしている。
・運転は24時間連続で年間でも90%以上動いている。
・実際の出力状況としての稼働率は定格に対して年間平均で約28%である。
(参考までに計算すると 2500KW・15基・24H・365日・28%で計算すると 年間総出力は 9198万KWhとなる。)
最後に、今後日本でも大型のウインドファームの計画もある(和歌山 1500KWが20基、山口県など・・・)が、日本での普及で困難なのは設備の輸送や搬入設置場所の確保が大変とのことです。

資料は地上自然エネルギーグループから、俳句は秋山さん、鈴木さん、浅田さんから提供いただきました。                  
写真・編集 平山
企画:地上自然エネルギーグループ 荘司 島崎 古川

トップに戻る     ◇次のページへ

inserted by FC2 system